夜の観光イベントの企画ガイド|温泉地・観光地の夜の集客アイデアと実例、ナイトタイムエコノミーの始め方

「昼は観光客でにぎわうのに、夕方になると街から人がいなくなる」「日帰りのお客さまばかりで、宿泊につながらない」「毎年同じ夏祭りで、新しい目玉がほしい」。観光協会や旅館組合、道の駅の方から、こうしたご相談をいただきます。
夜の観光イベントの企画は、「日が暮れても、この街にいる理由」を1つ作れるかで決まります。日帰りの観光客は、夕方になると帰り道を気にし始めます。夜にしか見られない目玉があれば、夕食をとり、温泉に入り、そのまま泊まっていく流れが生まれます。日没から翌朝までの時間の消費を増やす考え方は「ナイトタイムエコノミー」と呼ばれ、観光地の取り組みとして注目されています。
この記事では、温泉地・海辺・湖畔・城下町などの観光地で、夜のイベントを企画するときの考え方を、実際に人が集まった公演の数字と、図・表を使ってまとめました。ナイトバブルショーの料金と公演実績はナイトバブルショーのページにまとめています。

筆者はシャボン玉おじさん(野村佳史)です。ギネス世界記録(Longest garland wand・14.317m・2022年11月26日認定)の達成者で、夜のシャボン玉ショー「ナイトバブルショー」で全国の観光地に出演しています。皆生温泉、宍道湖、相差、世界遺産・姫路城、旧閑谷学校、瀬戸内国際芸術祭、ホテル椿山荘東京など、温泉地や史跡、湖や海のほとりでの公演を重ねてきました。
この記事の内容
観光地の夜に人がいなくなる理由
夜のイベントを考える前に、観光地の夜が静かになる理由を整理します。原因が分かると、どんな企画が効くかが見えてきます。
昼の名所は日没とともに閉まります。夕食の後に出かける先がないと、観光客は宿に戻るか、早めに帰ります。
「夜まで残る理由」がないと、日帰りで十分だと判断されます。宿泊・夕食・土産の売上が伸びません。
花火大会や夏祭りが毎年同じだと、地元の方は来ても、遠方からわざわざ来る理由になりにくくなります。
日帰り客を「泊まる客」に変える夜のイベントの流れ
夜のイベントの役割は、観光客の1日の終わり方を変えることです。下の図は、夜の目玉がある日とない日の、観光客の動きの違いです。
夜の目玉がない日
夜の目玉がある日
ポイントは、夜のイベントそのものだけでなく、開演までの夕方の時間に、飲食店や温泉、土産物店へお金が落ちることです。開演時刻を夕食の後に置くと、この効果がいちばん大きくなります。
観光地で使える夜のイベント7選|比較表
観光地でよく行われる夜のイベントを、同じ物差しで比べました。費用感は規模で大きく変わるため、当方のショー以外は「低・中・高」で示しています。
| イベント | 費用感 | 準備期間 | 許可・届出 | 雨・風 | 観光地での強み |
|---|---|---|---|---|---|
| ナイトバブルショー | 中〜高(40万円〜・税別) | 最短2週間 | 原則不要(会場の使用許可のみ) | 本降りの雨・風速6m以上で中止 | 海・湖・城を背景に、写真に残る景色を作れる |
| 花火大会 | 高 | 長い | 消防への届出・保安距離が必要 | 雨・強風で中止 | 遠くからも見え、知名度が高い |
| ドローンショー | 高 | 長い | 飛行の許可・承認が必要 | 風・雨に弱い | 地域の名物を夜空に描ける |
| ライトアップ・映像投影 | 高 | 長い(機材・映像) | 建物の管理者との調整 | 機材の雨対策が必要 | 史跡や建物の魅力を夜に見せられる |
| 灯籠・キャンドルの夜 | 低〜中 | 中(数をそろえる) | 火気の扱いに注意 | 風・雨に弱い | 静かな情緒。温泉街に合う |
| 夜市・屋台 | 低(出店料方式も可) | 出店者集めに時間 | 保健所への手続き | テントで可 | 地元の店にお金が落ちる |
| 音楽ライブ | 低〜中 | 短い | 音量の配慮 | 屋根があれば可 | 出演者のファンが来る |
夜市や屋台は「お金が落ちる場所」、ショーや花火は「人を呼ぶ目玉」です。おすすめは、人を呼ぶ目玉を1つと、お金が落ちる場所を1つ組み合わせること。ナイトバブルショーは火を使わないので、花火が難しい海水浴場や史跡、住宅の近い温泉街でも開催しやすいのが特長です。花火との比べ方は花火大会の代わりになる夜のイベントにまとめています。
昼と夜の2部構成で、夕方から夜へつなぐ
観光地の夜のイベントでうまくいきやすいのが、夕方の体験型のショーと、夜のナイトバブルショーの2部構成です。夕方に家族連れを呼び、夕食をはさんで夜まで残ってもらいます。宍道湖バブルフェスティバルや、道の駅うつのみや ろまんちっく村の30周年イベントでも、この形で行いました。
16:30に夕方の体験型のショー、19:00と20:00にナイトバブルショー(15分×2回)の例。開演時刻は日の入りの時刻に合わせて決めます。

主催者別の進め方
観光地の夜のイベントは、主催者によって予算の出どころや決め方が違います。立場ごとの進め方の目安です。
| 主催者 | よくある目的 | 向く形 | 進め方のポイント |
|---|---|---|---|
| 観光協会 | 夜の誘客・宿泊の増加 | 海岸や公園での無料公演 | 来年度の事業計画に入れる。地元の旅館・飲食店と開演時刻を共有する |
| 旅館組合・温泉街 | 宿泊客の満足度・連泊 | 宿から歩ける場所で、夕食後に1〜2回 | 各旅館のチェックイン時に案内する。翌年の再訪につなげる |
| 道の駅・観光施設 | 周年・夜の営業の目玉 | 昼のショー+夜のショーの2部構成 | 閉館時間との調整。花火など他の演出と組み合わせる |
| 青年会議所・実行委員会 | まちのにぎわい・新しい祭り | 夕方から夜までのフェスティバル | 協賛集めの資料に公演実績と写真を使う |
| ホテル・リゾート | 宿泊プランの特典・季節の企画 | 昼のワークショップ+夜のショー | 宿泊者限定にするか一般公開にするかを先に決める |
自治体が主催・共催する場合の企画書や稟議の通し方は、自治体のナイトイベント企画ガイドで詳しくまとめています。


会場タイプ別の条件
観光地には、海岸・湖畔・城跡・広場など、昼の景色が自慢の場所がたくさんあります。その景色を夜のショーの背景にできるのが、観光地で開く強みです。会場ごとの条件と注意点をまとめました。
| 会場タイプ | 夜のショーでの見え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 海岸・砂浜 | 海と夜空を背景に、照明に照らされたシャボン玉が広がる | 海風が強い日は中止になることがある。風を避けられる近くの広場を予備の会場にしておく |
| 湖畔・河川敷の公園 | 水面と街の明かりが背景になる | 観覧エリアと水辺の間の安全の確保 |
| 城・史跡の公園 | ライトアップされた建物の前にシャボン玉が舞う | 文化財の管理者への確認。建物にシャボン液がかからない配置 |
| 道の駅・観光施設の広場 | 噴水や建物を背景にできる | 閉館後の照明・駐車場の運用 |
| ホテル・旅館の庭園 | 宿泊客が部屋の近くで楽しめる | 客室への音の配慮。宿泊者限定か一般公開か |
- 車両の乗り入れ:照明や機材を運ぶ車両が会場の近くまで入れるか
- 防水シート:パフォーマンスエリアに8m×8m程度の防水シートを敷けるか
- 電源:不要です。照明・音響の電源もすべて持ち込みます
- 設営・撤収:設営に約3時間、撤収に約1時間
- 予備の会場:海や湖の近くは、風を避けられる場所を決めておく
- 管理者の確認:海水浴場・公園・史跡の使用許可と、シャボン液の付着の可否
天候による中止はキャンセル料0円です。本降りの雨や風速6m以上の強風の日は中止になり、小雨の日は主催者さまと相談して判断します。予備日の設定や順延もできます。シャボン玉液の成分はシャボン玉液の安全性と成分、万一への備えは賠償責任保険についてでご確認いただけます。
実例|皆生温泉・宍道湖・ろまんちっく村
米子市観光協会が主催する「NIGHT BUBBLE in KAIKE」。2025年は温泉街の海水浴場「海遊ビーチ」で7月25日と8月21日の2回開催し、各回15分×2部で約100万個のシャボン玉をとばしました。来場は2日間で延べ1万人を超えています。8月20日の予定日は荒天のため翌日に順延しました。2026年も9月5日に開催し、当日は強風のため、海辺から近くの広場に会場を移して実施しました。→ 皆生温泉のナイトバブル実施レポート
松江青年会議所が主催し、宍道湖のほとりの白潟公園で2026年5月16日に開催。15時から20時までの入場無料のお祭りで、16時30分からの体験型バブルショーと、19時からのナイトバブルショーの2部構成で出演しました。来場者は主催者の発表で5,000人を超えました。→ 宍道湖バブルフェスティバルの出演レポート
開業30周年の記念イベントとして、2026年9月20日・21日の2日間に出演しました。各日、夕方のバブルショーと夜のナイトバブルショーを行い、夜は来場者とのカウントダウンから始めて、打ち上げ花火と共演する演出にしました。
地域ごとの公演実績は、中国・四国のナイトバブル・関東のナイトバブル・東海のナイトバブル・関西のナイトバブルにまとめています。

来年度に向けた企画のスケジュール
観光協会や実行委員会のイベントは、年度の予算に合わせて動きます。来年の夏や秋の夜のイベントは、今年の秋から冬のうちに企画を固め、予算に入れておくのが確実です。
| 時期 | やること | 当方でお手伝いできること |
|---|---|---|
| 10〜12月 | 来年度の夜のイベントの目的と時期を決める | 概算の見積もり、過去の公演の写真と数字 |
| 12〜2月 | 事業計画・予算に入れる。協賛を集める | 企画書に使える資料(PDF)のご提供 |
| 3〜4月 | 日程を決めて仮予約、会場の許可を取る | 会場の写真や図面での配置のご提案 |
| 開催の1〜2か月前 | 告知を始める。旅館・飲食店と開演時刻を共有 | 告知用の写真・紹介文のご提供 |
| 当日 | 来場者の案内・駐車場の運営 | 設営・ショー・撤収まで一式 |
夏は花火大会と、秋は観光シーズンの週末と、冬はイルミネーションと組み合わせるなど、季節ごとの使い方もできます。冬の使い方はイルミネーションのイベント企画でまとめています。
よくある質問|観光地の夜のイベントについて
観光地でナイトバブルショーを頼むと、料金はいくらですか?
ナイトバブルショーは40万円(税別)からです。観客200名程度までのミニマムプランが40万円、300〜1,000名程度のレギュラープランが50万円、1,000名以上のプレミアムプランが100万円からです。照明・音響・電源はすべてのプランに含まれ、交通費・宿泊費は実費を別にお見積りします。
海辺や湖のほとりでもできますか?
できます。皆生温泉の海水浴場や、宍道湖のほとりの公園で公演しています。水辺は風が強くなりやすいので、風速6m以上のときは中止になります。風を避けられる近くの広場を予備の会場にしておくと、当日の判断がしやすくなります。
遠方の観光地にも来てもらえますか?
はい。兵庫県姫路市を拠点に、北海道から沖縄まで全国に出張しています。前日入りが必要な場合の宿泊費や交通費は、お見積りに実費で明記します。
夕方のショーと夜のショーを両方頼めますか?
できます。夕方の体験型のシャボン玉ショーと、夜のナイトバブルショーの2部構成で出演した実績があります。夕方に家族連れを呼び、夜まで街に残ってもらう流れを作れます。
雨や強風で中止になったらどうなりますか?
本降りの雨や風速6m以上の強風による中止は、キャンセル料0円です。予備日を設けて順延することもできます。皆生温泉では荒天の日を翌日に順延して開催しました。
いつまでに相談すればいいですか?
ご依頼は最短2週間前から承っています。ただし観光協会や実行委員会の事業では予算の確保が先になるので、来年の夏や秋のイベントなら、今年の秋から冬のうちにご相談いただくのがおすすめです。概算の見積もりと企画書用の資料を無料でお出しします。
まとめ|夜の目玉が、街に泊まる理由になる
観光地の夜のイベントは、ショーそのものの集客だけでなく、開演までの夕方と、終わった後の宿泊まで含めて考えると効果が大きくなります。夕方の体験型と夜のショーの2部構成にし、開演時刻を夕食の後に置き、旅館や飲食店と時刻を共有する。海・湖・城といった観光地自慢の景色を背景に、夜にしか見られない光景を作ることが、日帰りの観光客を「泊まる客」に変える第一歩です。
次に読む
・商店街・広場の夜の集客:夜市・ナイトマーケットの集客アイデア
・料金プラン・会場の条件・公演実績:ナイトバブルショー
・海辺の温泉地での開催例:皆生温泉のナイトバブル実施レポート
・自治体の企画書・稟議の通し方:自治体のナイトイベント企画ガイド
・冬の夜の使い方:イルミネーションのイベント企画
観光協会・旅館組合・観光施設のご担当者さまへ
開催したい時期と会場(海岸・公園・広場など)を教えていただければ、概算の見積もりと、企画書に使える資料をお送りします。来年度の予算づくりの段階からご相談いただけます。
シャボン玉ショーのご相談・お見積りは無料です
日にちと会場だけで大丈夫です。いちばん話しやすい方法でどうぞ。







