【花火大会の代替】ナイトバブルショーで来場8万人|第47回三田まつり 実施レポート

【花火大会の代替】ナイトバブルショーで来場8万人|第47回三田まつり 実施レポート
2024年、兵庫県三田市は従来の本格的な花火大会の中止を決めました。
長年、市民の夏を締めくくってきた行事です。武庫川の河川敷に人が集まり、数千発が夜空に上がる。それが三田の八月でした。
その決断から3年目にあたる2026年8月1日、「みのだ整形外科クリニック協賛 第47回三田まつり」の来場者は、三田市の発表で 80,000人。
減っていません。
何が起きたのか。フィナーレを担当した Bubble Works が、演出の内側から報告します。読んでいただきたいのは、同じ問いを抱えている自治体・実行委員会のご担当者です。花火大会をどうするか。 その答えの、ひとつの実例として。

1. 花火大会の中止が全国で相次ぐ理由|警備費高騰・人手不足・協賛金不足
三田市は例外ではありません。花火大会をめぐる環境は、全国で同じ方向に動いています。
背景として繰り返し指摘されているのが、警備の人件費と花火そのものの費用の上昇です。山陰を代表する「米子がいな祭」でも、2026年は一度クライマックスの花火の休止方針が打ち出され、企業や市民からの寄付によって開催にこぎつけたと報じられています。花火製造の現場でも材料費が上がり、中東情勢の影響が原材料調達に及んでいるとされます。
人手の問題も深刻です。2023年に全国で中止を決めた花火大会は49件にのぼり、その約7割が人口5万人以下の市町村だったという集計があります。地元で警備員を確保できず、他県から派遣を受ければ交通費と宿泊費がさらに乗る、という構造です。
そして見落とされがちな点として、中止にも費用がかかります。 発注済みの花火玉は返品できないことがほとんどで、廃棄処理をするなら打ち上げたほうが安いというケースすらあると指摘されています。
「やめる」という選択肢が、思ったほど安上がりではない。多くの自治体が代替案を探しているのは、このためです。

2. 花火大会の中止ではなく「作り替え」|三田市が3年かけて移行した経緯
三田市の動きを、時系列で並べます。
| 年 | フィナーレの構成 |
|---|---|
| 〜2023年 | 武庫川河川敷等での従来型 花火大会 |
| 2024年(第45回) | 花火大会を断念。市役所前広場でシャボン玉パフォーマンスを実施 |
| 2025年(第46回) | 2年連続で断念。シャボン玉パフォーマンスの中に花火を組み込む方式へ。来場者 約8万人 |
| 2026年(第47回) | 同方式を継続・拡大。来場者 80,000人(三田市発表) |
神戸新聞は2025年5月の記事で、長年フィナーレを飾ってきた花火大会が2024年に続いて断念され、代わりに前回好評だったシャボン玉パフォーマンスの中で花火を打ち上げる方針であることを報じています。
つまり三田市は、花火大会を中止したのではありません。作り替えたのです。
この違いは、稟議の書き方を根本から変えます。「花火大会を廃止する」案は通りません。「フィナーレの形式を見直す」案なら、議論の盤上に載ります。
3. 花火はいまも2,500発|ナイトバブルショーに変えても打ち上げは継続できる
最も誤解されやすい点なので、先に潰しておきます。三田まつりは花火を捨てていません。
2026年5月21日の定例会見で、田村克也市長は前年の打ち上げ数が2,500発だったことに触れ、今年も同等かそれ以上で盛り上げたいと述べています(神戸新聞・2026年5月24日付)。
2,500発は、小規模ではありません。地方都市の花火大会として十分な規模です。
変わったのは、花火の居場所でした。
従来は、河川敷から打ち上げ、市街地の広い範囲に見せる。主役は花火そのものです。現在は、会場内で完結する規模に抑え、音楽・照明・シャボン玉と同期させる。花火は演出の一部になりました。
三田市はこの違いを、公式サイトで来場者にはっきり伝えています。
花火を使用しますが、これまでの花火大会ではありません。
見えるのは会場にいる人だけ。裏を返せば、会場に来た人だけが受け取れるフィナーレになったということです。市街地のどこからでも見えた花火は、来場の理由になりませんでした。見えないほうが、人は集まります。

4. 花火大会の代替案を比較|ドローンショーとナイトバブルショーの費用・条件の違い
花火大会の代わりを検討する際、いま実際に比較検討されているのは主にドローンショーとナイトバブルショーの二つです。ここは正直に、双方の条件を並べます。
京都府木津川市は、花火大会に代わる催しとしてドローンショーを計画したことが報じられています。市の担当者は、交通規制が不要になり範囲もコンパクトになることで警備人員を減らせる見込みだと説明し、立入禁止区域を4分の1に縮小できる点を挙げています。
課題意識の方向は、ナイトバブルショーとまったく同じです。違うのは費用と実施条件でした。
| 従来型 花火大会 | ドローンショー | ナイトバブルショー | |
|---|---|---|---|
| 費用の目安 | 数千万円規模 | 100機で300〜500万円、300機で600〜1,000万円、1,000機で2,000〜3,000万円(各社公表の相場) | (構成・回数による) |
| 立入禁止エリア | 広大 | 縮小可能(木津川市は4分の1と説明) | 会場内の限定範囲 |
| 航空局への飛行許可 | 不要 | 必要(夜間・人口密集地は要件が厳しい) | 不要 |
| 荒天時 | 強風・雨で中止 | 強風・雨で中止 | 強風・雨で中止 |
| 企業ロゴ・文字演出 | 一部可 | 得意 | 不可 |
| 観客との距離 | 遠景 | 遠景 | 客席まで届く |
| 準備期間 | 長い | 長い(飛行計画・許認可) | 短い |
ドローンショーが向いているのは、スポンサーロゴや市制周年のメッセージを空に出したい場合です。 これはナイトバブルショーにはできません。
一方、予算が1桁違います。 小規模なドローンショーでも数百万円からで、それは「小さく見える絵」を空に描く費用です。ナイトバブルショーは、同じ予算枠でフィナーレを組んだうえで、演出用の花火や昼公演まで載せられる可能性があります。
さらに実務上の差として、航空局の飛行許可が不要である点は見過ごせません。ドローンショーは夜間飛行かつ人口密集地上空という、最も要件の厳しい組み合わせになります。準備期間と申請コストがそのまま日程リスクになる。
三田まつりが選んだのは、花火を残したまま、会場内完結型に切り替えるという三つ目の道でした。
5. ナイトバブルショー導入で変わる4つの実務|保安距離・雑踏警備・待機時間・騒音
自治体の担当者として気になるのは、感動ではなく条件でしょう。四点に絞ります。
保安距離と会場条件。 河川敷から大玉を上げるには、広大な保安区域と、それを封鎖できる立地が要ります。会場内完結型に切り替えると、必要な用地と規制範囲は大きく縮みます。三田まつりが河川敷から市街地中心部の施設会場へ移れたのは、この点が決定的でした。
雑踏警備。 従来型の花火大会は、打ち上げの瞬間に人が集中し、終了と同時に全員が帰ります。会場を限定した演出型なら、観覧者数はそのまま会場のキャパシティに収まる。周辺道路と駅の負荷が、事前に読めます。
待機時間。 三田まつりは15時開始、20時30分終了。ナイトバブルショーは20時からの30分間で、その直前まで市民総おどりが行われていました。「打ち上げまで何時間も待たせる」構造が、そもそも発生しません。
音。 シャボン玉は無音です。花火の使用量を抑えられるぶん、近隣への騒音負担も従来型より小さくなる。住宅地に近い会場を選べる理由が、ここにあります。

6. 昼夜2公演という構成例|滞在時間と会場内消費を伸ばす設計
第47回では、性格の異なる2公演を同日に行いました。
昼の部|三田市役所「風の広場」15:00〜15:30。 祭りの開幕とほぼ同時に始まる、子ども向けのバブルショーです。照明も花火も使いません。
日中の屋外は、夜とはまったく別の技術が要ります。直射日光の下ではシャボン玉の膜が急速に乾き、風の影響もそのまま出る。夜の演目をそのまま昼に持ってきても成立しません。明るい場所でこそ映える構成に、組み替えています。
夜の部|郷の音ホール会場 20:00〜20:30「光と音のナイトバブルショー」。 18時30分から1時間続いた市民総おどりの熱気を受け取り、20時からフィナーレ。照明・音響・花火を束ねた30分です。
この2本立てには、明確な意図があります。
昼にバブルショーを見た家族連れは、「夜はもっとすごいらしい」と知ります。そのまま帰らない。飲食ブースを回り、総おどりを眺め、夜のフィナーレまで会場にいる。
滞在時間は、そのまま会場内消費に変わります。 夜公演を1本入れるより、昼夜2本立てのほうが費用対効果は高い。予算が限られている場合ほど、この構成をご検討ください。
7. ナイトバブルショーとは|30分間の演出内容と、会場での見え方
条件の話ばかりしてきたので、一度だけ、中身に触れます。
照明が落ち、音楽が始まり、最初のシャボン玉が上がる。ここまでは、多くの人が想像するとおりです。
想像と違うのは、そのあとです。シャボン玉は風に乗って観客席まで流れてきます。子どもが立ち上がり、追いかけ、手を伸ばす。触れた瞬間に消える。その繰り返しが、30分間続きます。
花火は見上げるものです。ナイトバブルは、降りてくる。
だから会場では、静かに見入る人が存在します。そして花火が上がる。見上げた顔の周りを、光ったシャボン玉が流れていく。
三田市が「郷の音ホール会場でご観覧ください」と繰り返し案内していたのは、この体験が会場の中でしか成立しないからです。
8. ナイトバブルショーの安全管理|立入禁止エリア確保のため開始を20分遅らせた事例
三田市と三田まつり実行委員会が公表しているとおり、当日のナイトバブルショーは開始を約20分遅らせて実施しました。
開始直前、安全確保のため設定していた立入禁止エリアへの立ち入りがあり、退去の呼びかけと再度の安全確認に時間を要したためです。実行委員会は今後、警備員の増員など体制を強化するとしています。
あえてこれを書いています。
花火とシャボン玉を扱う公演で、立入禁止エリアが確保できていない状態で始めてはいけません。時刻が来たから、という理由で見切り発車すれば、いつか事故になります。定刻より安全を選んだ実行委員会の判断は、正しいものでした。
同時に、これは演者側の宿題でもあります。8万人規模の会場では、告知とバリケードだけではエリアが保てない場面がある。Bubble Works は現在、次の3点を主催者への標準提出物としています。
- 風速による中止判断基準
- シャボン液の飛散想定距離と、路面対策
- 立入禁止エリアの範囲図、および必要警備人員数の目安
9. ナイトバブルショーのデメリット|市街地から見えない・ロゴ演出ができない
いいことばかり書いても信用されないので、失うものも書きます。
市街地から見えなくなります。 従来の花火大会は、家のベランダからも、駅の階段からも見えました。会場に足を運べない高齢者や、小さな子どもを寝かしつけている家庭にも、夏の音と光は届いていた。会場内完結型にすると、それがなくなります。
三田市が公式サイトで「市街地等から見ることはできません」と繰り返し告知していたのは、この点を軽く扱わなかったからでしょう。
遠景の派手さでは、従来型に及びません。 数千発を河川敷から上げる絵に、演出用の花火は勝てません。勝負している土俵が違います。
文字やロゴは描けません。 市制周年のメッセージや協賛企業のロゴを空に出したいなら、ドローンショーが適します。ナイトバブルショーは形をつくる演出ではありません。
風に依存します。 無風では観客席まで届かず、強風では飛びすぎる。当日の風向きで見え方が変わる点は、あらかじめご承知おきください。だからこそ、事前の風速基準の取り決めが必要になります。
導入をご検討の際は、「誰に、何を届けたいのか」を先に決めてください。 市域全体に音と光を届けることが目的なら、この方式は向いていません。空にメッセージを出したいならドローンショーです。会場に来た人に濃い体験を渡し、その満足度と拡散で次年度につなげたいなら、ナイトバブルショーが有力な選択肢になります。
10. 第47回三田まつりの主催・後援体制と、新聞報道での評価
第47回三田まつりの体制は、以下のとおりです。
- 主催:三田まつり実行委員会/共催:三田市
- 協力:(一社)三田青年会議所、神戸電鉄(株)
- 後援:(一社)三田市観光協会、(株)神戸新聞社、兵庫県阪神北県民局、(公社)ひょうご観光本部、読売新聞阪神支局、朝日新聞神戸総局、毎日新聞阪神支局、産経新聞社神戸総局、六甲タイムス社、NHK神戸放送局、三田市教育委員会
神戸新聞は2026年8月3日付の記事で、市民総おどりや音楽ステージが会場を盛り上げ、花火の演出を交えたシャボン玉のショーが祭りを締めくくったと報じました。前年の第46回についても、シャボン玉と花火のショーが夜空を彩ったと伝えています。
11. SNS拡散効果|ナイトバブルショーが花火より撮影・投稿されやすい理由
会場内完結型のイベントには、構造的な弱点があります。来場しなかった市民に、何も届かない。
それを補うのがSNSです。そしてナイトバブルショーは、花火より圧倒的に撮りやすい。
花火は一瞬を狙う被写体です。スマートフォンでは失敗が多く、投稿されるのは撮れた人の分だけ。ナイトバブルショーは30分間ずっと撮れます。 静止画でも動画でも成立し、シャボン玉が観客席まで流れてくるので「自分や子どもが写り込んだ映像」が残る。
自分が写っている写真は、投稿されます。これが投稿数の差になります。
12. 自治体イベントへのナイトバブルショー導入|検討時の6つのポイント
三田まつりの事例から、実務のポイントを六点。
花火をゼロにする必要はありません。 会場内完結型に再設計すれば、演出としての花火は継続できます。使わない構成も可能です。
会場は施設・公園・駐車場でも成立します。 照明・音響・バブルマシン・発電機まで全機材を持ち込み、設営から撤収まで一貫して行います。電源のない公園・海岸・キャンプ場・スキー場・駐車場での実績があります。
昼夜2公演で滞在時間を設計できます。 予算が限られるほど、この構成が効きます。
安全エリアの確保は、演出設計と同時に決めてください。 必要人員の目安は、こちらから事前にご提示します。
荒天時の判断基準を、契約段階で文書化してください。 当日の判断が早くなります。
煙火業者との協議には、私たちも同席します。 進行タイミング・保安距離・風向きの調整が必要です。打ち合わせから入ります。
ナイトバブルショーのよくある質問|費用相場・雨天中止・全国出張
Q. 従来の花火大会をナイトバブルショーに置き換えることは可能ですか? A. 可能です。三田まつり(兵庫県三田市)が実際に移行し、来場者8万人規模を維持しています。会場内完結型に再設計することで、保安区域・警備負担・費用の条件が大きく変わります。
Q. ドローンショーとどちらが良いですか? A. 目的によります。空に文字やロゴを描きたいならドローンショーです。予算を抑えたい、観客との距離を近くしたい、航空局への飛行許可申請を避けたい場合は、ナイトバブルショーが適します。費用は一般にドローンショーが数百万円からであるのに対し、ナイトバブルショーはその数分の一の規模から検討できます。
Q. 費用はいくらかかりますか? A. 会場規模・公演回数・機材構成によって変動します。条件を伺ったうえで概算をお出しします。稟議用の資料形式でのご提出も可能です。
Q. 花火とナイトバブルショーは同時に実施できますか? A. できます。風向き・保安距離・進行タイミングの事前調整が必須です。煙火業者との打ち合わせに同席し、秒単位の進行表を作成します。
Q. 大規模イベントにも対応できますか? A. 対応可能です。第47回三田まつり(来場者80,000人)でメインイベントを担当したほか、第45回横浜開港祭、東京ドームシティ、さがみ湖イルミリオンなどでの実績があります。
Q. 電源のない会場でも実施できますか? A. 可能です。発電機を含む全機材を持ち込みます。
Q. 雨天の場合はどうなりますか? A. 荒天時は中止または延期です。事前に中止判断の基準と連絡フローを取り決めます。
Q. 全国どこでも来てもらえますか? A. 兵庫県姫路市を拠点に、北海道から沖縄まで離島を含めて対応しています。遠方の場合の交通費・宿泊費は、お見積り時に明示します。
ナイトバブルショーのご相談・お見積り|自治体・実行委員会のご担当者様へ
花火大会の継続が難しい。夜間の集客が頭打ちになっている。毎年同じ企画から抜け出せない。
そうした課題をお持ちのご担当者様。まずは、いま抱えている制約をお聞かせください。 会場の条件、予算の上限、安全面の懸念。それらを踏まえたうえで、実施可能な構成をご提案します。
できないことは、できないと明確に申し上げます。









