シャボン玉はなぜ丸い?なぜ虹色?|膜の厚さと色のしくみ、黒くなって消える合図、浮く理由と落ちる理由を図で解説

「どうしてシャボン玉は丸いの?」「なんで虹色なの?」「なんで上に行ったり下に落ちたりするの?」。子どもに聞かれて、答えに詰まった経験はないでしょうか。どれも、小学生に分かる言葉で説明できます。そして、その答えを知っていると、シャボン玉のとばし方まで変わります。
この記事の結論
- シャボン玉が丸いのは、膜ができるだけ面積を小さくまとまろうとするから。いちばん「らくな形」が丸です。
- 虹色に見えるのは、膜の表と裏で反射した光が重なるから。色は膜のうすさで変わります。
- 膜が黒っぽく(透明に)なってきたら、「もうすぐ割れる」という合図です。
シャボン玉が丸いのは「膜が、いちばん小さくまとまろうとする」から。虹色なのは「膜の表と裏で反射した光が重なる」から。この記事では、丸い理由・虹色の理由・黒くなって消える直前に起きていること・浮く理由と落ちる理由を、図といっしょに順番に説明します。2009年からシャボン玉をとばし続け、学研の『大シャボン玉チャレンジ』を監修した経験からまとめました。

この記事を書いた人:シャボン玉おじさん(野村佳史)。ギネス世界記録(Longest garland wand・14.317m・2022年11月26日認定)の達成者で、学研『大シャボン玉チャレンジ』の監修者。成層圏(高さ約30km)でのシャボン玉にも世界で初めて成功しています。
この記事の内容
シャボン玉の正体は「うすい水の膜」
シャボン玉は、石けん水でできたとてもうすい膜のふくろで、中に空気が入っています。膜の厚さは、だいたい1,000分の1ミリ以下。髪の毛1本(約0.08ミリ)の100分の1くらいです。この「うすさ」が、丸い形も、虹色も、消え方も、ぜんぶ決めています。
水は「できるだけ小さくまとまろう」とする力(表面張力)が強すぎて、うすく広がる前に水玉になってしまいます。
石けんの成分が水の表面に並ぶと、まとまろうとする力がちょうどよく弱まり、水がうすく広がって膜になります。
輪に張った膜に空気が入ってふくらみ、閉じたものがシャボン玉。膜の中は、水の層を石けんの層が表と裏からはさんだ3層になっています。
なぜ丸い?——膜はいちばん小さくまとまろうとする
石けん水の膜には、できるだけ面積を小さくしようとする力(表面張力)が働いています。ゴム風船のゴムが縮もうとするのと似ています。中に閉じこめた空気の量が同じなら、膜の面積がいちばん小さくなる形は球(まん丸)です。だから、どんな形の輪からとばしても、シャボン玉は丸くなります。
この性質は、シャボン玉どうしがくっついたときにもよく分かります。2つのシャボン玉がくっつくと、さかいめは平らな壁になり、3つ以上がくっつくと、壁どうしは必ず120度の角度で出会います。これも「膜の面積を少しでも小さくしよう」とする結果で、ハチの巣が六角形なのと同じ理由です。
なぜ虹色?——膜の表と裏で反射した光が重なる
シャボン玉の色は、絵の具のように膜についているのではありません。光が膜の「表」で反射したものと、「裏」で反射したものが重なって見える色です。
光にはいろいろな色(波長)が混ざっています。裏で反射した光は、膜の厚さの分だけ遠回りして出てくるので、表で反射した光と少しずれて重なります。ずれ方がぴったり合う色は強め合って明るく見え、ずれ方が逆になる色は打ち消し合って消えます。どの色が残るかは膜の厚さで決まるので、厚さがちがう場所は、ちがう色に見えるのです。これを「薄膜干渉(はくまくかんしょう)」といい、CDの裏側や、水たまりに浮いた油が虹色に見えるのも同じしくみです。
| 膜の厚さ(目安) | 見える色 | シャボン玉のどこで見える? |
|---|---|---|
| 厚い(1,000ナノメートル前後〜) | 白っぽく、色がうすい | とばした直後の全体 |
| 700〜500ナノメートル | 緑・ピンク・紫が流れる | できて数秒後。いちばんきれいな時間 |
| 400〜200ナノメートル | 黄→青→うすい青 | 上のほう(液が下に流れて薄くなる) |
| 100ナノメートル以下 | 色が消えて黒くなる | 消える直前のてっぺん |
ナノメートルは100万分の1ミリ。1,000ナノメートルで、やっと1,000分の1ミリです。シャボン玉の膜は、光の波の長さ(400〜700ナノメートル)とほとんど同じ厚さだから、色が見えます。もっと厚い水たまりでは、この色は出ません。
黒くなったら消える合図
シャボン玉をじっと見ていると、色の帯が上から下へ流れ、てっぺんの色がだんだん消えて、黒っぽい(または透明な)部分が広がっていきます。そして、黒い部分が大きくなった直後に、ぱちんと割れます。
黒くなる理由
- 膜の中の水は、重さで下へ流れ落ちる。だから上から薄くなる
- 厚さが光の波の長さの4分の1より薄くなると(約100ナノメートル以下)、表と裏の反射光がどの色も打ち消し合う
- 反射する光がなくなるので、向こう側が透けて黒く見える
見ていて分かること
- 黒い部分が出たら、残りはあと数秒
- 乾いた日、風のある日ほど、水が早く蒸発して黒くなるのが早い
- 液に砂糖や洗濯のりを入れると、水が流れにくく・蒸発しにくくなり、色のきれいな時間が長くなる

シャボン玉おじさんのピンポイントアドバイス
子どもに聞かれたら、この3つの言い方で
「シャボン玉は、いちばんらくな形になりたがっている。それが丸」/「色は、膜のうすさを光が教えてくれている」/「黒くなったら『もうすぐ消えるよ』の合図」。私はショーでこう説明しています。難しい言葉を使わなくても、この3つで子どもはシャボン玉を見る目が変わります。黒くなるところを一緒に見つけられたら、その子はもう小さな研究者です。
なぜ浮く?なぜ落ちる?
意外に思われますが、シャボン玉は空気より少し重いものです。中の空気は外と同じ重さで、そこに膜の重さが足されるからです。だから、風のない部屋でとばすと、ゆっくり下に落ちていきます。それでも空に上がっていくことがあるのは、次の理由です。
| シャボン玉の動き | 理由 | よく起きる場面 |
|---|---|---|
| ゆっくり落ちる | 膜の分だけ空気より重い。ただし軽いので落ちる速さはとてもゆっくり | 風のない室内 |
| とばした直後に上がる | 息でふくらませると、中の空気が体温で温かく、まわりより軽い | 寒い日の屋外。息のシャボン玉がよく上がる |
| 空高く上がっていく | 日に温められた地面から、温かい空気が上へ流れている(上昇気流) | 晴れた日の昼、アスファルトや芝生の上 |
| 横に流れる | 風。膜が軽いので、わずかな風にも乗る | 屋外ならいつでも |
| 上がってから落ちる | 中の温かい空気が冷えて、まわりと同じ重さになる | とばして数秒後 |
大きな輪を振ってとばすシャボン玉は、中に入るのが外の空気そのものなので、息のシャボン玉より落ちやすくなります。屋外で大きなシャボン玉が高く上がるのは、ほとんどが地面からの温かい空気のおかげです。晴れた日の午後、芝生や駐車場の上でよく上がるのはそのためです。
家でたしかめる3つの実験
- 四角い輪から丸いシャボン玉針金ハンガーを四角に曲げて毛糸を巻き、液につけてとばします。四角い輪から出ても丸くなることを、目でたしかめます。輪の作り方はシャボン玉の道具を手作りする方法で。
- 黒くなる瞬間を見るコップのふちに膜を張るか、濡らしたお皿の上に半球のシャボン玉を作り、黒い部屋で懐中電灯を当てて見ます。色の帯が下へ流れ、てっぺんから黒くなって割れるまでを観察します。砂糖を入れた液と入れない液で、黒くなるまでの時間を比べると自由研究になります。
- 温かい息と、うちわの風同じ輪で、息でふくらませたシャボン玉と、うちわであおいでとばしたシャボン玉の動きを比べます。寒い日の朝だと、ちがいがはっきり出ます。
記録のしかたと模造紙のまとめ方はシャボン玉の自由研究に、色のきれいな時間を長くする液の配合は割れにくいシャボン玉液の作り方にまとめています。
シャボン玉のしくみについてよくある質問
シャボン玉はなぜ丸いのですか?
石けん水の膜には、できるだけ面積を小さくしようとする力(表面張力)が働いています。中の空気の量が同じなら、膜の面積がいちばん小さくなる形は球なので、どんな形の輪からとばしても丸くなります。
シャボン玉はなぜ虹色に見えるのですか?
光が膜の表で反射したものと、裏で反射したものが重なり、膜の厚さによって強め合う色と打ち消し合う色が決まるからです(薄膜干渉)。厚さがちがう場所はちがう色に見えるので、虹色の帯になります。絵の具のような色はついていません。
シャボン玉の膜の厚さはどのくらいですか?
できたてで1,000分の1ミリ以下、きれいな色が見えているときで500ナノメートル前後(100万分の0.5ミリ)、消える直前は100ナノメートル以下です。髪の毛の太さの100分の1より薄い、と考えると分かりやすいです。
シャボン玉が黒くなるのはなぜですか?
膜が光の波の長さの4分の1より薄くなると、表と裏の反射光がどの色も打ち消し合い、反射する光がなくなるからです。向こう側が透けて黒く見え、その直後に割れます。「黒くなったら消える合図」と覚えておくと、子どもと一緒に観察できます。
シャボン玉は空気より軽いのですか?
少し重いです。中の空気は外と同じで、そこに膜の重さが足されるからです。それでも上がるのは、息の温かい空気が入っているときや、日に温められた地面から温かい空気が上がっているときです。
寒い日のほうがシャボン玉がよく上がるのはなぜですか?
息でふくらませたシャボン玉の中は体温に近い温かさで、まわりの冷たい空気より軽いからです。外との温度差が大きい冬の朝ほど、よく上がります。冷えると同じ重さになって、ゆっくり落ちてきます。
子どもに「なぜ丸いの?」と聞かれたら、何と答えればいいですか?
「シャボン玉は、いちばんらくな形になりたがっている。それが丸なんだよ」で十分です。四角い輪を作って一緒にとばし、出てくるのが丸いことを目で見せると、言葉より伝わります。
まとめ|丸いのも、虹色なのも、膜のうすさのおかげ
シャボン玉が丸いのは、膜がいちばん小さくまとまろうとするから。虹色なのは、膜の表と裏で反射した光が重なり、厚さごとにちがう色が残るから。黒くなるのは膜が光の波より薄くなった合図で、そのあと割れます。そして浮いたり落ちたりするのは、中の空気の温かさと、まわりの空気の流れしだい。全部、1,000分の1ミリの膜が見せてくれていることです。
あわせて読む
・実験してまとめる:シャボン玉の自由研究
・色のきれいな時間を長く:割れにくいシャボン玉液の作り方
・四角い輪を作る:シャボン玉の道具を手作りする方法
・凍ると何が起きる:凍るシャボン玉
・空気のない場所では:成層圏でのシャボン玉
園や学校で、科学のふしぎを体で感じる時間を
室内で行う「サイエンスバブルショー」では、大きなシャボン玉の中に子どもが入り、膜の色が変わる様子を目の前で見られます。保育園・幼稚園のシャボン玉ショーは6万円(税別)〜、全国へ出張しています。
シャボン玉ショーのご相談・お見積りは無料です
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