シャボン玉は春の季語|なぜ春なのか、季語になるまでの歴史と、俳句の作り方・例句

「シャボン玉って、季語なの?」「夏の遊びなのに、どうして春?」。国語の宿題や句会で、シャボン玉の季語に迷う人は多いようです。結論から言うと、シャボン玉は春の季語です。この記事では、なぜ春なのかを3つの理由で説明し、季語になるまでの歴史、同じ「春の外遊び」の季語の仲間、そしてシャボン玉で俳句を作るコツと例を紹介します。
▶ シャボン玉の基礎を1ページで:シャボン玉事典(しくみ・歴史・ことば・液・安全)
ひと目でわかる「シャボン玉」の季語
この記事でわかること(タップで答えへ)
シャボン玉はなぜ春の季語?|3つの理由
シャボン玉は一年中遊べますが、俳句の世界では春に分けられています。主な理由は次の3つです。
- 春の風に乗って舞う遊びだから凧・風船・風車・ぶらんこなど、外で風を受けて遊ぶものは春の季語に多く入っています。シャボン玉もその仲間です。
- 暖かくなって、子どもが外へ出る季節だから寒い冬が終わり、外で遊ぶ子どもの姿がふえる。その明るさが春の気分と重なります。
- 歳時記で春に入れられたから江戸時代にもシャボン玉を詠んだ句はあります(1680年の句集『洛陽集』など)。季語として歳時記の春の項目に載ったのは、1925年(大正14年)の『大正新修歳時記』とする解説があり、それ以降、春の季語として定着しました。

「夏に遊ぶことが多いのに」と感じるのは自然なことです。季語は「その季節らしさ」で分けるため、実際によく遊ぶ時期とはずれることがあります。
同じ「春の外遊び」の季語の仲間
シャボン玉と同じように、子どもの外遊びで春に分けられている季語です。いっしょに覚えておくと、季重なり(1句に季語が2つ入ること)を防げます。
「ぶらんこ」は、漢字で「鞦韆(しゅうせん)」とも書きます。どれも「春風」と同じ句に入れると季重なりになるので注意しましょう。
シャボン玉が季語になるまで|年表
- 安土桃山時代ポルトガル人が石けんとともに伝えたとされる。「シャボン」はポルトガル語の sabão がなまった言葉
- 江戸時代のはじめ林羅山の『多識編』に「志也保牟(しゃぼん)」として載る
- 1600年代の後半「玉屋」の看板をかかげたシャボン玉売りが町を歩く。液は、貴重な石けんの代わりにムクロジの実の皮などで作られていた
- 1680年句集『洛陽集』に、シャボン玉を詠んだ句が収められる
- 1925年(大正14年)『大正新修歳時記』で春の季語として載ったとされる
- いま割れにくい液やバブルマシンが生まれ、ショーやイベントでも楽しまれている
年表は季語「石鹸玉」の解説(歳時記サイト)と俳句の教科書によります。シャボン玉の歴史全体はシャボン玉の歴史、言葉の由来はシャボン玉の漢字と意味でくわしく紹介しています。
有名な俳人は、シャボン玉をどう詠んだ?
シャボン玉は、大正・昭和の俳人たちにもよく詠まれてきました。どんな場面を切り取ったのかを紹介します。句の全文は、歳時記や各俳人の句集で読んでみてください。
| 俳人 | 詠んだ場面 | 注目したところ |
|---|---|---|
| 松本たかし | 流れていくシャボン玉 | 動きながら色が変わっていく |
| 中村汀女 | 窓からとばしたシャボン玉 | ひとつの窓を占めるほどの存在感 |
| 橋本多佳子 | 次々に生まれるシャボン玉 | なかなか落ちてこない不思議さ |
| 日野草城 | ふくらんでいく途中 | いまにも割れそうな心もとなさ |
| 芝不器男 | 向かいの家へ飛んでいく玉 | 光をまとって入っていく一瞬 |
| 山口誓子 | 風のない日のシャボン玉 | よろよろと出てくる頼りなさ |
どの句も「色」「動き」「はかなさ」のどれかに目を向けています。これが、シャボン玉の句を作るときのヒントになります。
シャボン玉で俳句を作るコツ|3ステップ
穴うめで作ってみよう
例句(この記事のために作った句)
しゃぼん玉 ゆびさきほどの 空うつす
小さな玉に、大きな空が映っている驚き
ひとつ消え ふたつ生まれて しゃぼん玉
割れても次々に生まれる、にぎやかさ
しゃぼん玉 ふたりでとばす 帰り道
だれと、どこで。情景が浮かぶ下五
虹いろの 窓をひらいて しゃぼん玉
膜の色を「窓」にたとえた句
シャボン玉が虹色に見えるしくみはシャボン玉はなぜ丸い?なぜ虹色?で解説しています。句を作る前に読むと、見るところが増えます。
シャボン玉の季語についてよくある質問
シャボン玉は何の季節の季語ですか?
春の季語です。歳時記では、人の暮らしや遊びを表す「生活」の季語に分けられています。
シャボン玉はなぜ春の季語なのですか?
凧や風船、ぶらんこと同じく、春の風に乗って外で遊ぶものだからです。暖かくなって子どもが外で遊ぶ姿が、春の気分と重なることも理由とされています。
夏にシャボン玉の俳句を作ってもいいですか?
作ってかまいませんが、季語としては春を表すので、読む人は春の情景として受け取ります。夏らしさを出したいときは、夏の季語を中心にして、シャボン玉を季語としてではなく使う工夫が必要です。
「しゃぼん玉」と「石鹸玉」、どちらの書き方がいいですか?
どちらも同じ季語です。ほかに「しやぼん玉」「シャボン玉」とも書きます。句のやわらかさや見た目に合わせて選びます。
季重なりにならないように気をつけることは?
「春風」「風船」「風車」「ぶらんこ」など、ほかの春の季語を同じ句に入れないようにします。季語は1句に1つが基本です。
シャボン玉の有名な俳句には、どんなものがありますか?
松本たかし、中村汀女、橋本多佳子、日野草城、芝不器男、山口誓子など、大正・昭和の俳人たちが詠んでいます。色の変化や、割れそうなはかなさに目を向けた句が多いのが特徴です。
春の行事に、空いっぱいのシャボン玉を
シャボン玉おじさん(野村佳史)は、園や地域の行事、商業施設のイベントにシャボン玉ショーで伺います。春の親子遠足や入園の時期の行事にもどうぞ。
童謡「シャボン玉」の歌詞にこめられた思いは「シャボン玉」歌詞の意味で紹介しています。
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