凍るシャボン玉|冬に凍らせる方法と条件、きれいに撮るコツ

シャボン玉は凍ります。よく冷えた冬の朝、気温が−5℃を下回ると、シャボン玉は割れずに、その場で凍りつきます。透明な膜の内側を、雪の結晶のような模様がゆっくり広がっていき、やがて小さなガラス玉のように静止する。ほんの数十秒の出来事ですが、一度見ると忘れられません。
イベントでシャボン玉のプロのショーを開きたい方は、出張シャボン玉ショー(総合案内)をご覧ください。
この記事では、凍るシャボン玉がどんなしくみで生まれるのか、どんな条件なら凍るのか、家庭でつくる方法、そしてきれいに写真に残すコツまでをまとめました。書いているのは、全国でシャボン玉ショーを行っている「シャボン玉おじさん」こと野村佳史(2022年 シャボン玉のギネス世界記録認定、株式会社学研のシャボン玉製品監修者)です。
- 気温が−5℃以下。−10℃前後なら、目の前で凍っていく様子がはっきり見えます
- 風がないこと。空中にとばすのではなく、雪や冷えた板の上にそっとのせて待ちます
- 割れにくい液。砂糖やコーンシロップを少し加えると、凍りきるまで膜がもちます
数字で見る 凍るシャボン玉
(理想は−10℃前後)
FROZEN BUBBLE
凍ったシャボン玉はどう見える?シャボン玉が凍る瞬間に起こること
ふつうのシャボン玉は、膜の水分が蒸発したり、重さで下へ流れて薄くなったりして、十数秒で割れます。ところが氷点下では、膜の水が蒸発するより先に凍り始めます。
凍り方には順番があります。まず、冷たい地面や雪に触れている底のあたりから、白い結晶が生まれます。結晶は膜の上をすべるように広がり、シダの葉や雪の結晶に似た模様を描きながら、てっぺんへ向かいます。膜全体が凍ると、シャボン玉は半透明の球になり、風に触れなければそのままの形で残ります。やがて、内側の空気が冷えて縮み、球の一部がへこんだり、薄いところから静かに崩れたりします。
結晶が膜の上を広がっていく様子。英語では「フローズンバブル(frozen bubble)」と呼ばれます。
SCIENCE
シャボン玉が凍る仕組み|雪が舞う模様「スノードーム効果」
シャボン玉の膜は、厚さが髪の毛の100分の1ほどしかありません。この薄い水の膜が凍るとき、ただ白く曇るのではなく、小さな結晶が膜の上を泳ぐように動き回り、あの模様をつくります。
この動きの正体は、アメリカのバージニア工科大学の研究チームが2019年に科学誌で発表した論文で明らかになりました。研究チームはこの現象を「スノードーム効果」と名づけています。しくみを、やさしく言うとこうです。
- 膜の一部が凍ると、そこで少しだけ熱が出ます(水が氷になるとき、熱を放出するためです)
- すると、膜の中に「少し温かい場所」と「冷たい場所」ができます
- 水の表面には、温度によって引っぱる力(表面張力)に差が生まれる性質があり、膜の液体が冷たい側へ流れ出します
- この流れに乗って、生まれたばかりの小さな結晶がスノードームの雪のように膜の上を運ばれ、あちこちで成長していきます
この液体の流れは「マランゴニ対流」と呼ばれるものです。難しい名前ですが、身近な例があります。ワイングラスの内側を伝う「ワインの涙」も、同じ力で起きています。
まわりの空気も冷たいと、結晶は全体に広がる。研究では、シャボン玉のまわりの空気が十分に冷えているときは結晶が膜全体を覆って完全に凍り、空気が温かいときは底のほうだけ凍って上は液体のまま残る、という違いも分かっています。これが、「凍らせるには気温が大事」と言われる理由です。
図:膜の上を結晶が動く理由(2019年 バージニア工科大学の研究より)
CONDITIONS
シャボン玉が凍る条件|気温・風・時間帯の目安
| 条件 | 目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 気温 | −5℃以下(理想は−10℃前後) | 0℃〜−3℃では凍る前に割れることが多い。寒いほど速く、模様もくっきり |
| 風 | ほぼ無風 | 弱い風でも膜が揺れて割れる。建物のかげや、雪の上のくぼみが向く |
| 時間帯 | 夜明け前〜日の出直後 | 一日でいちばん冷え、空気が落ち着いている。朝日が結晶を照らして、写真もいちばんきれい |
| のせる場所 | 雪・氷・よく冷えた金属や石 | 底から凍り始めるので、冷たい面に直接のせるのが近道 |
| 湿度 | 乾きすぎていない朝 | 空気が乾いていると、凍る前に膜の水分が抜けやすい |
日本では、北海道の内陸、東北や長野・岐阜の山あい、北関東や中国山地の冷えこむ朝などが条件に合います。姫路のような瀬戸内側でも、年に数日ある「−3℃まで下がった朝」なら、雪のかわりに冷やした金属の板を使うことで、小さく凍る様子を見られることがあります。
HOW TO
シャボン玉を凍らせる方法|割れにくい液のレシピと手順
割れにくい液のレシピ(家庭用)
| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 水 | 200ml | できれば一度沸かして冷ました水。ぬるま湯で混ぜて、冷やしてから使う |
| 台所用の中性洗剤 | 大さじ2 | 膜をつくる主役 |
| 砂糖 または コーンシロップ | 大さじ2 | 膜の水分が流れ落ちるのを遅らせ、凍りきるまで時間をかせぐ |
| グリセリン(あれば) | 小さじ1 | さらに割れにくくする。薬局で手に入る |
混ぜたら、ふたをして冷蔵庫で一晩おきます。液そのものが冷えていると、外に出してからの時間が短くてすみます。
手順
- いちばん冷える朝に、風のない場所を選ぶ前夜の天気予報で「−5℃以下・風速1m以下」の朝をねらいます。庭の雪の上、ベランダに置いた金属のトレーなど、冷たい面を用意しておきます。
- 液と道具を、前もって外気にならす室内から出したばかりの温かい液では、のせた瞬間に雪がとけて割れます。使う10分前には外に出しておきます。
- 小さめのシャボン玉を、冷たい面にそっとのせる空中にとばすと風で割れます。ストローの先で直径3〜5cmの玉をつくり、雪や板の上に静かに置きます。小さいほど凍りやすく、形もくずれません。
- 息を止めて、30秒〜2分待つ自分の息が当たると温まって凍りません。顔を少し離して、底から結晶が立ち上がるのを待ちます。−10℃なら30秒ほど、−5℃なら1〜2分が目安です。
- 凍ったら、そっと観察する完全に凍った玉は、指で触れると崩れます。写真を撮るなら、凍り始めから凍りきるまでの1分間が本番です。
うまくいかないときは、たいてい「温度」か「風」です。凍る前に割れるなら、液が温かいか、風が当たっています。白く曇るだけで模様が出ないなら、気温が足りていません。もう少し寒い朝に、もう一度ためしてみてください。
冷凍庫でシャボン玉を凍らせることはできる?
家庭用の冷凍庫(−18℃前後)でも、シャボン玉は凍ります。冷やした金属のトレーに小さな玉をのせ、そのまま冷凍庫に入れて数分待つ方法です。ただし、庫内はファンで空気が動いているうえ、扉を開けるたびに温かい空気が入るので、屋外のようなはっきりした結晶の模様は出にくく、白く曇った小さな球になることが多いです。「凍るところを一度見てみたい」という目的なら十分楽しめます。食品に液がつかないよう、トレーに入れて行ってください。
図:シャボン玉を凍らせる5つの手順
PHOTO
凍ったシャボン玉の撮り方|きれいに撮る6つのコツ
- 光は、斜めうしろから。朝日を背にすると結晶が白く光り、膜の虹色も出ます。順光(自分の背中から当たる光)だと、平らな写真になります。
- 背景は暗く、遠く。黒っぽい木立や日かげを背景にすると、白い結晶が浮き上がります。背景が近いとごちゃつくので、玉と背景の距離をとります。
- スマホは「接写(マクロ)モード」、一眼なら絞りを開ける。玉の手前の結晶にピントを合わせ、背景をぼかすと立体感が出ます。
- 連写か動画で。結晶が広がる1分間は、一瞬ごとに模様が変わります。あとから一番いいコマを選ぶのが確実です。
- レンズと手を冷やしすぎない。温かいレンズを近づけると、玉がとけます。かといって手がかじかむと手ぶれします。手袋の指先だけ出せるものが向いています。
- 小道具は一つだけ。松ぼっくり、赤い実、雪の結晶模様の手袋。主役は玉なので、添えるのは一つにします。
SAFETY
冬にシャボン玉を凍らせるときの注意
- −10℃の朝は、10分で指の感覚がなくなります。防寒を十分にして、短時間で切り上げます。
- 液がこぼれた場所は、凍ると滑ります。玄関前や通路では行わないでください。
- 砂糖を入れた液は、甘いにおいで動物が寄ることがあります。終わったら雪ごとかたづけます。
- 小さなお子さんと行うときは、液が目に入らないよう、大人が玉をつくって見せる形がおすすめです。
FAQ
シャボン玉が凍ることについてのよくある質問
シャボン玉は何度で凍りますか?
膜の水は0℃で凍り始めますが、実際に模様が広がる様子を見るには、気温−5℃以下が目安です。−10℃前後なら30秒ほどで凍り、結晶もくっきり出ます。
市販のシャボン玉液でも凍りますか?
凍ります。ただし市販の液はさらっとしているものが多く、凍る前に割れやすい傾向があります。砂糖やコーンシロップを少し足すと、凍りきるまで膜がもちます。
東京や大阪でも凍らせられますか?
市街地では−5℃まで下がる朝が少ないため、むずかしいことが多いです。冷え込みの強い日に、冷凍庫で冷やした金属のトレーを使うと、小さく凍る様子を見られることがあります。確実に楽しむなら、山あいや北国への旅行の朝が向いています。
凍ったシャボン玉は、どのくらい残りますか?
風がなければ数分〜十数分は形を保ちます。内側の空気が冷えて縮むと、へこんだり、薄い部分から崩れたりします。日が高くなって気温が上がると、とけて消えます。
なぜ雪の結晶のような模様になるのですか?
膜の一部が凍るときに出るわずかな熱で、膜の中に温度の差ができ、液体が流れます。その流れに乗って小さな結晶が膜の上を運ばれ、あちこちで成長するためです。この現象は「スノードーム効果」と呼ばれています。
冬の夜空にも、シャボン玉は似合います。
バブルワークスは、照明と音楽に合わせて100万個のシャボン玉を夜空へとばすナイトバブルショーを全国で行っています。冬は空気が澄み、光るシャボン玉がいちばんきれいに見える季節です。イルミネーションやクリスマスの催しと組み合わせた公演も多く、さがみ湖イルミリオンや東京ドームシティ、神戸イルミナージュなどで公演してきました。
冬のシャボン玉を、イベントや園でも。
園の行事なら:保育園・幼稚園のシャボン玉ショー(6万円〜・機材と設営込み)
夜のイベントなら:ナイトバブルショー(光るシャボン玉を夜空へ)
あわせて読みたい
シャボン玉ショーのご相談・お見積りは無料です
日にちと会場だけで大丈夫です。いちばん話しやすい方法でどうぞ。







