シャボン玉おじさん、「非デジタルな遊び」についての調査を実施
シャボン玉おじさん、「非デジタルな遊び」についての調査を実施
多くの人が非デジタルな遊びの価値を認識し、それを次世代に伝えたいという思いを持っている一方で、若い世代を中心に伝統的な遊びの経験が希薄になっているという課題も浮き彫りになりました。
日本各地の幼稚園や保育園、商業施設、テーマパーク、各種イベントなど年間で200以上のステージに出演しているシャボン玉おじさんが、「非デジタルな遊び」についてのアンケートを実施しました。多くの人が非デジタルな遊びの価値を認識し、それを次世代に伝えたいという思いを持っている一方で、若い世代を中心に伝統的な遊びの経験が希薄になっているという課題が浮き彫りになりました。デジタル社会との共存の中で、子どもたちが多様な遊びを経験できる環境をどのように提供していくかが、今後の社会にとって重要なテーマになりそうです。
■調査概要
調査期間:2025年5月13日~2025年5月13日
対象:日本国内に住む25歳以上の男女 1,000人
調査方法:インターネット調査
調査委託先:オルグロー株式会社
Q1: 未来の子どもたちにも残したいと思う遊び
- 全体的な傾向:
「しゃぼん玉」(41.4%)、「縄跳び」(38.0%)、「けん玉」(35.3%)、「積み木」(34.8%)といった、古くから親しまれているシンプルな遊びが上位を占めています。これらは特別な道具や場所を必要とせず、創造性や身体能力を育む遊びとして認識されていると考えられます。 一方で、「これらの遊びをあまり体験したことがない」と回答した人が22.3%と高い割合で存在し、特に20代では42.5%と突出して高くなっています。これは、時代とともによく遊ばれる遊びが変化し、伝統的な遊びの経験が少ない世代が増えていることを示唆しています。
- 年代別の傾向:
- 20代: 全体的に各遊びを選択する割合が他の年代より低く、「これらの遊びをあまり体験したことがない」という回答が42.5%と非常に高いです。この世代はデジタルゲームやインターネットが普及した環境で育ったため、伝統的な遊びに触れる機会が少なかった可能性があります。残したい遊びとしては、「ブロック遊び(レゴなど)」(24%)、「積み木」(22.5%)といった創造力を刺激する遊びや、「しゃぼん玉」(33.5%)が比較的高いですが、他の年代に比べると全般的に低い傾向です。
- 30代: 「しゃぼん玉」(36.5%)、「ブロック遊び(レゴなど)」(29%)、「縄跳び」(29.5%)などが上位に来ています。20代よりは伝統的な遊びへの意識があるものの、まだ体験の少なさを感じさせる部分も見られます(「あまり体験したことがない」28.5%)。
- 40代: 「しゃぼん玉」(40%)、「けん玉」(35.5%)、「縄跳び」(34%)などが人気です。「あまり体験したことがない」割合は19%と、若い世代よりは低くなります。
- 50代: 「縄跳び」(47%)、「しゃぼん玉」(49%)、「けん玉」(46%)、「積み木」(44.5%)など、多くの伝統的な遊びへの支持が高い傾向が見られます。「あまり体験したことがない」割合は13%とさらに低くなります。
- 60代以上: 「縄跳び」(53%)、「積み木」(48.5%)、「しゃぼん玉」(48%)、「けん玉」(47.5%)など、50代と同様に伝統的な遊びへの支持が非常に高いです。自身が子どもの頃にこれらの遊びを体験し、その良さを実感しているため、未来の子どもたちにも残したいという意識が強いと考えられます。「あまり体験したことがない」割合は8.5%と全年代で最も低く、これらの遊びが生活の中にあった世代であることがうかがえます。
Q2: 非デジタルな遊びを子どもに体験させたいか
- 全体的な傾向:
「ぜひ体験させたい」(30.3%)と「できれば体験させたい」(33.2%)を合わせると63.5%となり、過半数の人が子どもに非デジタルな遊びを体験させたいと考えていることがわかります。これは、デジタルデバイスが普及した現代においても、実体験を伴う遊びの重要性が認識されていることを示しています。 一方で、「体験させたいとは思わない」(11.2%)、「あまり体験させたいとは思わない」(2.7%)という否定的な意見も合計で13.9%存在します。
- 年代別の傾向:
- 肯定的意向の世代差: 子どもに非デジタルな遊びを「ぜひ体験させたい」「できれば体験させたい」と回答した人の合計は、20代で50.5%と最も低く、年代が上がるにつれて高くなる傾向が見られ、60代以上では70.0%に達します。
- 否定的意向の世代差: 逆に、「あまり体験させたいとは思わない」「体験させたいとは思わない」と回答した人の合計は、20代で25.0%と最も高く、年代が上がるにつれて低くなり、60代以上では7.5%となります。
- この結果から、特に若い世代である20代において、子どもに非デジタルな遊びを体験させることへの意欲が他の世代と比較して低い傾向があることが示されました。
Q3: 非デジタルな遊びを体験させたい理由(Q2で肯定的回答者のみ)
- 全体的な傾向:
最も多い理由は「子どもの創造力や想像力を育むと思うから」(40.0%)で、次いで「子どもの体力向上や運動能力の発達につながると思うから」(20.16%)、「子どもの社会性やコミュニケーション能力を育むと思うから」(14.17%)と続いています。非デジタルな遊びが子どもの多面的な発達に寄与すると期待されていることがわかります。 「スマートフォンやゲームから離れる時間も必要だと思うから」(7.40%)という理由も挙げられており、デジタルデトックスの観点も意識されています。
クロス集計
Q1×Q2
非デジタルな遊びを積極的に推奨する層(「ぜひ体験させたい」「できれば体験させたい」)の特徴
- 多様な伝統的遊びへの高い支持: Q2 で「ぜひ体験させたい」と回答した層は、Q1 で具体的な遊びを多く選択する傾向が顕著です。特に「しゃぼん玉」(59.1%)、「縄跳び」(56.8%)、「けん玉」(51.5%)、「積み木」(48.2%)、「お手玉」(44.9%)、「ブロック遊び(レゴなど)」(43.2%)といった、Q1 全体でも人気が高かった遊びへの支持率が非常に高いです。 「できれば体験させたい」層も同様の傾向ですが、「ぜひ」の層よりは各遊びへの支持率がやや低めです。
- 自身の体験との関連: これらの積極的な層では、Q1 で「これらの遊びをあまり体験したことがない」と回答した割合が極めて低いです(「ぜひ体験させたい」層で3.3%、「できれば体験させたい」層で7.5%)。このことから、自身が非デジタルな遊びを体験し、その価値や楽しさを知っている人が、積極的に子どもにも体験させたいと考える傾向が強いことが読み取れます。
非デジタルな遊びに消極的な層(「あまり体験させたいとは思わない」「体験させたいとは思わない」)の特徴
- 自身の遊び体験の乏しさとの強い相関: Q2 で「体験させたいとは思わない」と回答した層の最大の特徴は、Q1 で「これらの遊びをあまり体験したことがない」と回答した人が85.7%(96人)と圧倒的多数を占めている点です。この層は、Q1 で具体的な遊びを選択する割合が軒並み低く、非デジタルな遊びそのものへの馴染みが薄いことがうかがえます。 「あまり体験させたいとは思わない」層でも、「これらの遊びをあまり体験したことがない」が37.0%(10人)と比較的高い割合を占めており、同様の傾向が推測されます。
- 体験の欠如が推奨意欲の低さへ繋がる可能性: これらの結果は、自身が非デジタルな遊びを体験してこなかったことが、その価値を認識しづらくさせ、結果として子どもに体験させることへの意欲の低下に繋がっている可能性を示唆しています。
クロス集計から読み取れること
- 体験の継承の重要性: このクロス集計結果は、人々が子どもたちに体験させたいと思う「非デジタルな遊び」の選択やその積極性が、自身の原体験と深く結びついていることが浮き彫りになりました。自身が体験し、価値を感じた遊びは、次世代にも残したい、体験させたいという意識に繋がりやすいと考えられます。
- 体験格差と意識のギャップ: 「これらの遊びをあまり体験したことがない」層が、特に非デジタルな遊びへの推奨に消極的であるという事実は、遊びの体験格差が、その遊びの価値認識や次世代への継承意欲のギャップを生み出している可能性を示唆しています。
考察まとめ
このアンケート結果からは、以下の点が考察されます。
- 伝統的な遊びへの価値認識と経験の世代間ギャップ: 多くの人がしゃぼん玉、縄跳び、けん玉といった伝統的な遊びを未来の子どもたちに残したいと考えていますが、特に若い世代(20代)ではこれらの遊びを実際に体験した経験が乏しいという実態が明らかになりました。上の世代ほど伝統的な遊びへの愛着や価値認識が高い傾向が見られます。
- 非デジタルな遊びの重要性への高い意識: 過半数の人(63.5%)が子どもにスマートフォンやゲーム機などを使わない「非デジタルな遊び」を体験させたいと考えている(Q2全体)ことから、デジタル化が進む現代でも、バランスの取れた子どもの成長のために非デジタルな体験が重要であるという認識が広がっていることがうかがえます。 しかし、この意識には明確な年代差が見られました(Q2年代別)。子どもに非デジタルな遊びを体験させたいという肯定的な意向は、20代では50.5%に留まるのに対し、60代以上では70.0%に達します。逆に、否定的な意向は20代で25.0%と最も高く、60代以上では7.5%と最も低くなっています。この結果は、非デジタルな遊びに対する価値観や積極性に世代間で温度差があることを示唆しています。非デジタルな遊びに期待される多様な効果: 非デジタルな遊びを体験させたい理由として、「創造力・想像力の育成」「体力向上・運動能力の発達」「社会性・コミュニケーション能力の育成」が上位を占めています。これらの遊びが子どもの心身の発達に多角的に貢献すると期待されていることがわかります。また、デジタル機器から離れる時間の必要性も認識されています。
- 非デジタルな遊びに期待される多様な効果: 非デジタルな遊びを体験させたい理由として、「子どもの創造力や想像力を育むと思うから」(40.0%)が最も多く、次いで「子どもの体力向上や運動能力の発達につながると思うから」(20.16%)、「子どもの社会性やコミュニケーション能力を育むと思うから」(14.17%)が上位を占めています(Q3)。これらの遊びが子どもの心身の発達に多角的に貢献すると期待されていることがわかります。また、「スマートフォンやゲームから離れる時間も必要だと思うから」(7.40%)という回答もあり、デジタルデトックスの観点も意識されています。
- 若い世代の意識と課題: 20代は、伝統的な遊びの経験が他の世代に比べて少ない(Q1年代別で「あまり体験したことがない」が42.5%)だけでなく、子どもに非デジタルな遊びを体験させたいという意識も他の世代に比べて低い(Q2年代別で肯定的回答が50.5%と最低、否定的回答が25.0%と最高)という結果が明確に示されました。クロス集計(Q1×Q2)の結果も踏まえると、自身の遊び体験の乏しさが、非デジタルな遊びの価値認識や子どもに体験させたいという意欲の低下に繋がっている可能性が示唆されます。今後、この世代が親になった際に、子どもたちの遊び環境をどのように捉え、提供していくのかが注目されます。伝統的な遊びの楽しさや意義を若い世代に伝え、体験の機会を創出していくことの重要性が改めて浮き彫りになりました。
総じて、人々は非デジタルな遊びの価値を認識し、それを次世代に伝えたいという思いを持っている一方で、若い世代を中心に伝統的な遊びの経験が希薄になっているという課題も浮き彫りになりました。デジタル社会との共存の中で、子どもたちが多様な遊びを経験できる環境をどのように提供していくかが、今後の社会にとって重要なテーマになりそうです。